物理学者はマルがお好き
この本の著者は、ケイス・ウエスタン・リザーヴ大学で物理学・天文学を教えている理論物理学者です。1993年に出版され、物理学者がどのように考えて研究しているかを教えてくれる本です。
不要なものは削ぎ落とす
物理学者は物事を簡単にして捉えようとします。本書で印象的なのが、
まず、牛を球と仮定します。
という一節です。これは、不要なものは削ぎ落とす、という物理学者の思考を的確に表現しています。不要な情報を捨てることで、問題を簡単にしていくことを物理学者は行なっていると著者は述べています。ただし、私たちは厳密に考えようとしすぎて、あれもこれもと入れ込みがちになるので、意識的に取り組む必要があるとも言っています。
この本が説明している物理学者の思考過程から、理系大学生や研究者は多くを学ぶことができるのではと思います。
本書を読む事で、物理だけでなく科学全体の営みがどのように発展してきたかを学ぶことができるようになるのではと思います。